解説(イントロダクション)

北の三部作最終章を飾る一大巨編。激動の時代を懸命に生き抜いた親子の物語ー

『北の零年』(05)、『北のカナリアたち』(12)に続く“北の三部作”最終章である今作。多くの名作が生まれた北海道の雄大な風景の中で、今回描かれるのは大戦末期から高度経済成長期という激動の時代を生き抜いたある“親子の物語”である。

厳しくも温かく息子を守る母・江蓮(えづれ)てつを演じるのは本作が120本目の映画出演作となる吉永小百合。苦難を乗り越えて成功し、老いた母と再び時を過ごすことを決める息子・修二郎を堺 雅人が演じる。さらに、修二郎の妻・真理役に篠原涼子。親子を見守る山岡役に岸部一徳。てつの夫・徳次郎役の阿部 寛、てつたち親子を助ける菅原を佐藤浩市が演じ、豪華キャストが顔を揃えた。

監督は『おくりびと』(08)で世界を沸かせた滝田洋二郎。脚本は“北の三部作”全作品を手掛ける那須真知子。物語を象徴的に彩る演劇的シーンの舞台演出として、ケラリーノ・サンドロヴィッチが名を連ねる。

北の史実に心を揺さぶられる今春必見の大作が、堂々完成した。

失われた記憶へ向かう親子の旅の果てに…衝撃の結末。

  • 映画『北の桜守』
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物語(ストーリー)

1945年5月、南樺太に住む江蓮(えづれ)家の庭に待望の桜が花開いた。夫と息子たちと暮らす江蓮てつが大切に育てたその花は、やがて家族の約束となる。

しかし8月、本土が終戦に向かう中、樺太にはソ連軍が迫っていた。樺太に残る夫との再会を約束し、てつは二人の息子を連れて網走へと逃げ延びる。

時は流れ1971年、次男の修二郎はアメリカに渡って成功し、米国企業の日本社長として帰国する。15年ぶりに網走へ母を訪ねると、そこには年老いたてつの姿があった。一人暮らしが心もとなく思えるその様子に、再び母と共に暮らす決意を固める修二郎。しかし想いあうがゆえに母子はすれ違いを重ね、立派になった修二郎に迷惑をかけたくないと、てつは一人網走に戻ろうとする。

母に寄り添いたいと願う修二郎は、二人で北海道の各地を巡り、共に過ごした記憶を拾い集めるように旅を始める。再会を誓った家族への想い。寒さと貧しさに耐え、懸命に生き抜いた親子の記憶。戦後の苦難を共にした懐かしく温かい人々との再会。幸せとは、記憶とは、そして親子とは。

そして満開の桜の下で明かされる、衝撃の結末――

  • 映画『北の桜守』
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キャスト紹介

  • 映画『北の桜守』吉永小百合

    江蓮えづれてつ 】

    桜守として桜を育む江蓮家の母。
    かつて樺太で暮らしていたが、
    ソ連軍の侵攻から逃れ、息子と網走へ。
    戦後の壮絶な苦難に際しても、強い母であり続けた。
    ながい隔たりを経て修二郎と再会し、
    家族の記憶をたどる旅に出るが…。


    吉永小百合SAYURI YOSHINAGA

    東京都出身。59年『朝を呼ぶ口笛』で映画初出演。以来、『キューポラのある街』(62)、『動乱』(80)、『華の乱』(88)、『長崎ぶらぶら節』(00)、『北の零年』(05)、『母べえ』(08)、『北のカナリアたち』(12)、『母と暮らせば』(15)など数多くの映画作品に出演し、数々の主演女優賞を受賞している。さらに、自らプロデュースした『ふしぎな岬の物語』(14)ではモントリオール世界映画祭で審査員特別賞グランプリ&エキュメニカル審査員賞をW受賞している。

  • 映画『北の桜守』堺雅人

    江蓮えづれ修二郎しゅうじろう

    てつの次男。
    18歳で網走を出て単身アメリカへ。
    その後米国企業ミネソタ24の日本社長として帰国し、
    老いた母に寄り添う決意をする。


    堺 雅人MASATO SAKAI

    宮崎県出身。92年から劇団「東京オレンジ」(早稲田劇研)にて活動を始める。 以降活躍の場を広げ、映画『アフタースクール』、『クライマーズ・ハイ』(08)でブルーリボン賞助演男優賞を受賞。さらに『武士の家計簿』(10)、『鍵泥棒のメソッド』(12)で日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞。NHK大河ドラマ「真田丸」(16)でも好演し、話題となった。17年の公開作品に主演映画『DESTINY 鎌倉ものがたり』(12月9日公開)がある。

  • 映画『北の桜守』篠原涼子

    江蓮えづれ真理まり

    修二郎の妻。
    アメリカ育ちで慣れない日本での生活を始めた矢先、
    修二郎が義母てつを連れてくる。
    突然てつと一緒に暮らすことになり、不満を抱いている。


    篠原涼子RYOKO SHINOHARA

    群馬県出身。90年のデビュー以降、歌手・女優として活躍。主な出演作にドラマ「アンフェア」シリーズ(06~15/KTV)、「ラスト♡シンデレラ」(13/CX)、SPドラマ「愛を乞うひと」(17/YTV)、「民衆の敵~世の中、おかしくないですか!?~」(17/CX )、映画『アンフェア -the end-』(15)等。18年の公開作品に主演映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』がある。

  • 映画『北の桜守』阿部 寛

    江蓮えづれ徳次郎とくじろう

    てつの夫。
    南樺太で戦前製材所を営んでいた江蓮家の大黒柱。
    ソ連軍侵攻に伴い国民義勇隊に召集され、
    家族の再会を約束して戦地に赴く。


    阿部 寛HIROSHI ABE

    神奈川県出身。数々の作品に主演し、大ヒットを記録した映画『テルマエ・ロマエ』(12)にて日本アカデミー賞最優秀主演男優賞受賞、さらに14年には同賞にて『ふしぎな岬の物語』で優秀主演男優賞、『柘榴坂の仇討』で優秀助演男優賞をW受賞。18年の公開作品に『祈りの幕が下りる時』(1月27日公開)、日中合作映画『空海―KU-KAI―』(2月24日公開)、『のみとり侍』がある。

  • 映画『北の桜守』佐藤浩市

    菅原すがわら信治しんじ

    闇米の流通を仕切る人物。
    引き揚げてきたてつ達に闇米屋の仕事を与え
    生活の手助けをするなど何かと面倒を見る。
    後に運送会社の社長となる。


    佐藤浩市KOICHI SATO

    東京都出身。『青春の門』(81)で映画初出演し、ブルーリボン賞新人賞を受賞。多くの映画、テレビ等で活躍。『忠臣蔵外伝 四谷怪談』(94)、『64-ロクヨン-前編/後編』(16)で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を、『ホワイトアウト』(00)、『壬生義士伝』(03)で同最優秀助演男優賞を受賞する。17年の公開作品に『花戦さ』がある。

  • 映画『北の桜守』岸部一徳

    山岡やまおか和夫かずお

    てつたちを樺太時代からよく知る人物で、徳次郎と国民義勇隊として戦地へ赴いた。戦後本土へ戻ってからもてつを見守るが、ある重大な秘密を抱えている。


    岸部一徳ITTOKU KISHIBE

    京都府出身。67年「ザ・タイガース」としてデビュー。『死の棘』(90)で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞。主な映画出演作に『僕らはみんな生きている』(93)、『必死剣 鳥刺し』(10)、『大鹿村騒動記』(11)、『舞妓はレディ』(14)、『FOUJITA』(15)、『団地』(16)、『TAP -THE LAST SHOW-』、『アウトレイジ 最終章』(1 7)などがある。

    • 映画『北の桜守』

      岡部おかべ大吉だいきち

      真理の父親でありミネソタ24の大株主。修二郎に期待している。ミネソタ24日本1号店の視察にアメリカから札幌を訪れる。

      中村雅俊MASATOSHI NAKAMURA

      宮城県出身。74年にドラマ「われら青春!」(NTV)の主役に抜擢されデビュー。同年に「ふれあい」で歌手としてもデビューをはたし、現在に至るまで俳優と歌手の両分野で活躍。主な映画出演作に『武士の家計簿』(10)、『夜明けの街で』(11)、『終戦のエンペラー』、『謎解きはディナーのあとで』(13)などがある。

    • 映画『北の桜守』

      島田しまだ光江みつえ

      かつて網走で暮らしていたてつの友人。修二郎が網走を去った後のてつを知る数少ない人物。

      高島礼子REIKO TAKASHIMA

      神奈川県出身。88年に女優デビュー。その後、映画、ドラマ、舞台など幅広く活躍。主な映画出演作に『陽炎』シリーズ(96~98)、『極道の妻たち』シリーズ(99~05)、『RAILWAYS』、『SPACE BATTLESHIP ヤマト』(10)、『ボクの妻と結婚してください。』(16)などがある。18年の公開作品に『星めぐりの町』(1月27日公開)、3月に主演映画『おみおくり』がある。

    • 映画『北の桜守』

      居酒屋たぬきの主人

      てつと修二郎が旅の途中に立ち寄る居酒屋の主人。陽気な語り口と地元のおいしい料理で二人の旅の疲れを癒す。

      笑福亭鶴瓶TSURUBE SHOFUKUTEI

      大阪府出身。72年六代目笑福亭松鶴の許に入門。現上方落語協会副会長。『べっぴんの町』(89)、『母べえ』(08)、『夢売るふたり』(12)など多くの映画作品に出演する。『ディア・ドクター』(09)、『おとうと』(10)では日本アカデミー賞優秀主演男優賞を、『ふしぎな岬の物語』(14)では日本アカデミー賞優秀助演男優賞を受賞した。近年の映画出演作に『後妻業の妻』(16)、『家族はつらいよ2』(17)などがある。

    • 映画『北の桜守』

      三田みた医師 】

      体調を崩したてつを診る医者。てつの症状には、ある兆候が見られると修二郎に説明する。

      永島敏行TOSHIYUKI NAGASHIMA

      千葉県出身。映画『ドカベン』(77)で俳優デビュー。その後、『サード』(78)や『遠雷』(81)で主演を飾り、日本アカデミー賞主演男優賞や報知映画賞主演男優賞など数々の映画賞を受賞。近年の出演作として、『種まく旅人 みのりの茶』、『HESOMORI ヘソモリ』(12)、『海難1890』、『愛を語れば変態ですか』(15)、『じんじん 其の二』(17)などがある。

  • 映画『北の桜守』

    杉本すぎもとひさし

    修二郎の同級生。少年時代、修二郎をいじめていた過去がある。

    安田 顕KEN YASUDA

    北海道出身。演劇ユニット「TEAM NACS」メンバー。舞台、映画、ドラマとジャンルを問わず数々の作品に出演。近年の映画出演作に『俳優 亀岡拓次』、『聖の青春』(16) 、『追憶』、『銀魂』(17)がある。18年の公開作品に『不能犯』(2月1日公開)がある。

  • 映画『北の桜守』

    木村きむらまなぶ

    ミネソタ24の社員。社長である修二郎をサポートする。

    野間口 徹TORU NOMAGUCHI

    福岡県出身。信州大学在学中に演劇活動を開始。コントユニット「親族代表」のメンバー。本作舞台演出ケラリーノ・サンドロヴィッチらと共に舞台公演も行っている。名バイプレイヤーとして数々のTVドラマや映画に出演。TVドラマでは「リーガルハイ」(12/CX)で堺 雅人と共演している。近年の主な映画出演作に『シン・ゴジラ』、『海賊とよばれた男』(16)、『探偵はBARにいる3』(17)などがある。

  • 映画『北の桜守』

    岩木いわき

    闇米屋を商う菅原信治の助手。危ない橋を渡ることもしばしば。

    毎熊克哉KATSUYA MAIGUMA

    広島県出身。『笑う警官』(09)、『ボックス!』(10)など映画出演作を経て、主演映画『ケンとカズ』(16)で毎日映画コンクールスポニチグランプリ新人賞、おおさかシネマフェスティバル新人男優賞、高崎映画祭最優秀新進男優賞を受賞し注目を集める。その後、TV「京都人の密かな愉しみ blue」(17/NHK)、映画『獣道』、『全員死刑』(17)など、映像作品への出演が続いている。

    • 主題歌「花、たけなわの時」(作詞•作曲:小椋 佳/編曲:星 勝)

      劇中の舞台パートで歌われる主題歌。その合唱では吉永・阿部を中心として、次の4名が主要なコーラスメンバーとして歌っている。

      映画『北の桜守』
    • Horiuchi Kohei99RadioService

      東京都出身。07年兄と共にロックバンド「99RadioService(ナインナイン レディオ サービス)」を結成。11年に発売したファーストシングル「YOUTHFUL」がアニメ「ちはやふる」(11/AX)のオープニングテーマとなるなど、活躍中のアーティスト。


      仙石みなみMINAMI SENGOKU

      仙台市出身。【アップアップガールズ(仮)】として活動。主演映画『讐〜ADA〜』(13)やドラマ、朗読劇・舞台等に多数出演。2017年9月に同グループを卒業後、『劇場版 ほんとうにあった怖い話2017』(17)、舞台「いざなひ」に出演、女優として躍進中。

    • 田﨑あさひ・長谷川萌美Bitter & SweetASAHI TASAKI・MOEMI HASEGAWA

      【Bitter & Sweet(ビター アンド スイート)】ピアノシンガー田﨑あさひとヴォーカリスト長谷川萌美の2人で13年に結成された音楽ユニット。17年には「幸せになりたい。/写真には残らないシュート」でメジャーデビューを果たした。
      田﨑あさひ:長崎県出身。
      第2回FOREST AWARD NEW FACEオーディションでグランプリを獲得。
      長谷川萌美:新潟県出身。
      第3回FOREST AWARD NEW FACEオーディションでグランプリを獲得。

      『北の桜守』オリジナルサウンドトラック
       アップフロントワークスより発売中

スタッフ紹介

  • 映画『北の桜守』

    【 監督 】

    滝田洋二郎YOJIRO TAKITA


    富山県出身。81年監督デビュー。『コミック雑誌なんかいらない!』(86)がニューヨーク映画祭で絶賛される。『壬生義士伝』(03)で日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞。『おくりびと』(08)は日本アカデミー賞で最優秀作品賞・最優秀監督賞を受賞。さらに米国アカデミー賞で日本映画初の外国語映画賞を受賞した。その後も『釣りキチ三平』(09)、『天地明察』(12)と作品を公開し、14年に紫綬褒章を受章した。17年に『ラストレシピ~麒麟の舌の記憶~』が公開。

  • 【 脚本 】

    那須真知子MACHIKO NASU


    福島県出身。日活シナリオコンクールに応募した作品が入賞し映画化されデビュー。80年代、一世を風靡した『ビー・バップ・ハイスクール』シリーズ(85~88)で夫である那須博之監督とコンビを組む。『化身』(86)、『桜の樹の下で』(89)、『新・極道の妻たち』(91)、『霧の子午線』(96)、『デビルマン』(04)などを手がけ、また『北の零年』(05)、『北のカナリアたち』(12)、そして本作と続く、“北の三部作”全作品の脚本を担当している。

  • 【 舞台演出 】

    ケラリーノ・サンドロヴィッチKERALINO SANDOROVICH


    東京都出身。82年にニューウェーブバンド「有頂天」を結成。並行して85年に劇団健康を旗揚げ、93年にナイロン100℃を始動。99年「フローズン・ビーチ」で岸田國士戯曲賞を受賞、現在は同賞選考委員を務める。17年には紀伊國屋演劇賞個人賞を、「8月の家族たち August : Osage County」で読売演劇大賞最優秀演出家賞を受賞。また、「キネマと恋人」は読売文学賞 戯曲・シナリオ賞、ハヤカワ「悲劇喜劇」賞も受賞している。